COBOL言語のデータの操作について理解しよう!|基礎ガイド
COBOL(コボル)言語でもっとも使用されるデータ操作の方法とは
COBOL(コボル)言語でもっとも使用されるデータ操作の方法とは
ではCOBOL言語のデータ操作について考えてみましょう。データ操作の中で必ずと言っていいほど使われる操作がデータの転記です。データ項目を他のデータ項目へ移したり、データを加工・編集する際に用いられる操作です。データ項目を定義する際にVALUE句など指定することがありますが、これらも転記の一種になります。今回はサンプルプログラムとして、英数字を変数定義した項目に転記する操作と、転記した変数を集団項目に転記する操作について学んでみましょう。では早速プログラムを作成してみましょう。
書き方(MOVE:転記)
MOVE A TO B
使用例:
使用例では’20241220’という値を変数定義したWK-DATEに転記し、転記された結果を画面に表示しています。
次にWK-DATEを集団項目WK-DATE2に転記し、転記された集団項目に属するWK-YEAR、WK-MONTH、WK-DAYを結果として画面に表示しています。いずれの処理においても’20241220’の値を元にデータ操作されていることが理解いただけるかと思います。
実行結果:
COBOL(コボル)言語のデータ操作における基本事項やルールについて
1.「MOVE」の間の空白や改行は、自由に設定できます。
2.転記操作では、データは左端に揃えて収められます。日本語項目についても同様です。
3.集団項目の転記操作についても、データは左端に揃えて収められます。
4.転記先の項目長が長い場合、数字系は左右にゼロや空白が補われ、その他は右側に空白が補われます。
COBOL(コボル)言語のデータ操作における注意点
転記操作する際には注意点があります。
英数字→英字の転記は、転記元の英数字に数字が入ってはいけません。
英数字→数字または数字編集は、転記元の英数字に英字が入ってはいけません。
数字(整数)→英数字または英数字編集は、転記元の数字(整数)の符号が落とされます。
項目定義後の値についても注意しながらプログラミングするようにしましょう。
データ操作を考えたCOBOL(コボル)プログラムの活用法
COBOL言語のデータ操作はプログラミングの中だけの情報を使って行われるわけではありません。外部のファイルを取り込んだり、画面からの入力情報を取り込んだりしながらデータ操作を行うことがほとんどです。ここでは活用法として、パソコンのコンソール画面から入力したデータを使ってデータ操作するプログラムを作成してみましょう。実際に情報を取り込んだ後には、先程の転記処理を行って結果を画面表示して、理解を深めましょう。
サンプルプログラム:
- IDENTIFICATION DIVISION.
- PROGRAM-ID. MOVE_SAMPLE2.
- ENVIRONMENT DIVISION.
- DATA DIVISION.
- WORKING-STORAGE SECTION.
- 01 WK-DATE PIC X(8).
- 01 WK-DATE2.
- 03 WK-YEAR PIC X(4).
- 03 WK-MONTH PIC X(2).
- 03 WK-DAY PIC X(2).
- PROCEDURE DIVISION.
- DISPLAY "今日の日付を入力してください。>> " WITH NO ADVANCING.
- ACCEPT WK-DATE FROM CONSOLE.
- DISPLAY WK-DATE.
- MOVE WK-DATE TO WK-DATE2.
- DISPLAY WK-YEAR.
- DISPLAY WK-MONTH.
- DISPLAY WK-DAY.
- STOP RUN.
サンプルプログラムではパソコンのコンソール画面から入力したデータを変数定義したWK-DATEに転記し、転記された結果を画面に表示しています。次に使用例と同じようにWK-DATEを集団項目WK-DATE2に転記し、転記された集団項目に属するWK-YEAR、WK-MONTH、WK-DAYを結果として画面に表示しています。直接’20241220’の値を操作する場合、自分で’20241220’を入力する場合、どちらも同じ値がデータ操作されていることが理解いただけるかと思います。
実行結果:
今回はCOBOL言語のデータ操作の方法についてご紹介しました。データ操作はCOBOL言語では基本的なプログラミングになりますので、実際に活用できるようにご自身で記述して理解を深めましょう。他のプログラミング言語を学ばれている方は、その言語と比較しながら違いについても理解してみましょう。
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