COBOL言語の関数「REM」について理解しよう!|用語辞典

COBOL(コボル)言語の予約語REMを使った剰余の算出とは

辞典・辞書-REM-イメージ

COBOL(コボル)言語のREM関数とは?

COBOL(コボル)の組込み関数であるREM関数は、ある数値を別の数値で割る事によって割りきれないで残った数、剰余を求めたい場合に使用します。普通の演算式で計算をする中でも剰余を求める事はできますが、COBOL(コボル)では、より活用しやすい環境を予約語として提供しています。では早速COBOL言語での使い方について見ていきましょう。

書き方(REM関数):

FUNCTION REM(引数1 引数2)

・関数の型:数字型

・引数1:割られる数値を指定します。

・引数2:割る数値を指定します。割る数値は0以外の整数を指定します。

・戻り値:引数1を引数2で割った時の余りです。結果の数値が整数でない場合は、浮動小数点形式が使用されます。

使用例:

辞典・辞書-REM-使用例

実行結果:

辞典・辞書-REM-実行結果

REM関数のCOBOL(コボル)言語における基本事項やルールについて

1.「REM」の間の空白や改行は、自由に設定できます。

2.組込み関数の前には予約語「FUNCTION」を指定する必要があります。

3.引数2で割る数値は0以外の整数を指定する必要があります。

COBOL(コボル)言語のREM関数を扱う上での注意点

COBOL言語のREM関数は、以下の演算式で定義する事ができます。

「引数1 - (引数2 * FUNCTION INTEGER-PART (引数1 / 引数2))」

式の中で使用している予約語「INTEGER-PART」は、ある値の整数部を求めたい場合に使用します。整数部とは、小数点以下の値を切り捨てるイメージです。例えば12/5=2.4の場合、2が整数部となります。似た予約語にINTEGERがありますが、こちらは引数値を超えない最大の整数となりますので、使用する際は注意しましょう。

REM関数を使ったCOBOL(コボル)プログラムの活用法

REM関数は、先ほどご紹介した通りある数値を別の数値で除算し、その余りを取得したい場合に使用する関数でした。ここでは活用法として、REM関数と剰余を演算式を使って求める場合の2種類のプログラミングを記述して、結果値及びREM関数の動きについて理解を深めてみましょう。例では、割られる数として、0、正の数値、負の数値、割る数としても、正の数値、負の数値の組み合わせを用意しましたので、結果を確認してみましょう。

サンプルプログラム(REM2):

  1. IDENTIFICATION DIVISION.
  2. PROGRAM-ID. REM_SAMPLE2.
  3. ENVIRONMENT DIVISION.
  4. INPUT-OUTPUT SECTION.
  5. DATA DIVISION.
  6. WORKING-STORAGE SECTION.
  7. 01 WK-SUJI.
  8. 03 WK-SUJI-0 PIC S99 VALUE ZERO.
  9. 03 WK-SUJI-SEI PIC S99 VALUE 12.
  10. 03 WK-SUJI-FU PIC S99 VALUE -12.
  11. 01 WK-RESULT.
  12. 03 WK-R1 PIC S99.
  13. 03 WK-R2 PIC S99.
  14. 03 WK-R3 PIC S99.
  15. PROCEDURE DIVISION.
  16. DISPLAY "割られる数値:0、割る数値:5".
  17. COMPUTE WK-R1 = FUNCTION REM(WK-SUJI-0 5).
  18. DISPLAY WK-R1.
  19. COMPUTE WK-R1 = WK-SUJI-0 - (5 * FUNCTION INTEGER-PART (WK-SUJI-0/5)).
  20. DISPLAY WK-R1.
  21.  
  22. DISPLAY "割られる数値:0、割る数値:-5".
  23. COMPUTE WK-R1 = FUNCTION REM(WK-SUJI-0 -5).
  24. DISPLAY WK-R1.
  25. COMPUTE WK-R1 = WK-SUJI-0 - (-5 * FUNCTION INTEGER-PART (WK-SUJI-0/-5)).
  26. DISPLAY WK-R1.
  27.  
  28. DISPLAY "割られる数値:12、割る数値:5".
  29. COMPUTE WK-R2 = FUNCTION REM(WK-SUJI-SEI 5).
  30. DISPLAY WK-R2.
  31. COMPUTE WK-R2 = WK-SUJI-SEI - (5 * FUNCTION INTEGER-PART (WK-SUJI-SEI/5)).
  32. DISPLAY WK-R2.
  33.  
  34. DISPLAY "割られる数値:12、割る数値:-5".
  35. COMPUTE WK-R2 = FUNCTION REM(WK-SUJI-SEI -5).
  36. DISPLAY WK-R2.
  37. COMPUTE WK-R2 = WK-SUJI-SEI - (-5 * FUNCTION INTEGER-PART (WK-SUJI-SEI/-5)).
  38. DISPLAY WK-R2.
  39.  
  40. DISPLAY "割られる数値:-12、割る数値:5".
  41. COMPUTE WK-R3 = FUNCTION REM(WK-SUJI-FU 5).
  42. DISPLAY WK-R3.
  43. COMPUTE WK-R3 = WK-SUJI-FU - (5 * FUNCTION INTEGER-PART (WK-SUJI-FU/5)).
  44. DISPLAY WK-R3.
  45.  
  46. DISPLAY "割られる数値:-12、割る数値:-5".
  47. COMPUTE WK-R3 = FUNCTION REM(WK-SUJI-FU -5).
  48. DISPLAY WK-R3.
  49. COMPUTE WK-R3 = WK-SUJI-FU - (-5 * FUNCTION INTEGER-PART (WK-SUJI-FU/-5)).
  50. DISPLAY WK-R3.
  51. STOP RUN.

実行結果(REM2):

辞典・辞書-REM-実行結果

今回ご紹介したREM関数は、ある数値を別の数値で除算し、その余りを取得したい場合に使用する関数でした。余りは、情報通信で使用されている暗号や,通信路の誤りを訂正する技術分野で活用されていますので、是非この機会に一度サンプルプログラムを作成して機能の理解を深め、実際のプログラミングに活用いただければと思います。

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