COBOL（コボル）言語の予約語ASINを使った逆正弦の求め方とは

COBOL(コボル)の組込み関数であるASIN関数は、三角関数の正弦(sin)の逆関数である逆正弦(Arc sin)を求めたい場合に使用します。三角関数とは平面三角法における、角の大きさと線分の長さの関係から得られる関数の総称です。正弦は三角形ＡＢＣにおいて、角Ｃが直角のとき、辺ＡＣ、ＡＢの長さの比を角Ｂの正弦といいます。逆三角関数は、三角関数がy＝sinxにおいてxの変化に伴うyの値を求める逆で、sinx＝yにおいてyの値が変化するときのxの値（角）を求めるものです。では早速COBOL言語での使い方について見ていきましょう。

書き方（ASIN関数）：

FUNCTION ASIN（引数1）

・関数の型：数字

・引数1：逆正弦を求める数字を指定します。範囲は-1以上+1以下です。

・戻り値：引数1の逆正弦（近似値）で、値は-π/2以上+π/2以下のラジアン値です。

使用例：

実行結果：

1.「ASIN」の間の空白や改行は、自由に設定できます。

2.組込み関数の前には予約語「FUNCTION」を指定する必要があります。

3.引数1は-1以上+1以下の数値である必要があります。

COBOL言語のASIN関数は、戻り値としてラジアン値が返却されます。ラジアン値とは、円周上でその円の半径と同じ長さの弧を切り取る2本の半径が成す角の値になります。1ラジアン=180/π度、1度=π/180ラジアンとなります。先ほどのASINの使用例及び実行結果をみていただければわかりますが、普段使用しないと小数点以下の数字を見ていただいてもわかる通り直感的に結果がわかり難いものになってしまいます。このため、実際のプログラムではラジアン値をそのまま使用する事もありますが、実際に馴染みのある角度に変換して使用してみるといいでしょう。

ASIN関数は、先ほどご紹介した通り三角関数の正弦の逆関数である逆正弦を求める関数でした。ここでは活用法として、実際に引数として指定できる範囲をいくつか設定し、その結果値がどういう角度になるかを確認してみましょう。以下のサンプルプログラムでは、引数として先ほどご紹介した+0.5、それから-1、0、1の逆正弦を求めて結果の角度を求めています。戻り値として得られるラジアン値とそれに対応する角度について理解を深めましょう。

サンプルプログラム（ASIN2）：

IDENTIFICATION       DIVISION.
PROGRAM-ID.         ASIN_SAMPLE2.
ENVIRONMENT          DIVISION.
INPUT-OUTPUT         SECTION.
DATA             DIVISION.
WORKING-STORAGE        SECTION.
01  WK-AREA.
 03  WK-ASIN        PIC 9(04).
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY FUNCTION ASIN(+0.5).
COMPUTE WK-ASIN = FUNCTION ASIN(+0.5) * 180 / 3.14.
DISPLAY WK-ASIN.
DISPLAY FUNCTION ASIN(-1).
COMPUTE WK-ASIN = FUNCTION ASIN(-1) * 180 / 3.14.
DISPLAY WK-ASIN.
DISPLAY FUNCTION ASIN(0).
COMPUTE WK-ASIN = FUNCTION ASIN(0) * 180 / 3.14.
DISPLAY WK-ASIN.
DISPLAY FUNCTION ASIN(+1).
COMPUTE WK-ASIN = FUNCTION ASIN(+1) * 180 / 3.14.
DISPLAY WK-ASIN.
STOP RUN.

実行結果（ASIN2）：

今回ご紹介したASINのサンプルプログラムは、三角関数の正弦(sin)の逆関数(Arc sin)である逆正弦を求める関数でした。逆正弦を始めとする逆三角関数は工学、航法、物理学、幾何学において広く使われるものです。あまり馴染みのない方もいらっしゃるかとは思いますが、使用した事がない方は是非この機会に一度サンプルプログラムを実行してみて機能の確認を行うとともに、実際のプログラムに応用していっていただければと思います。

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