COBOL言語初心者でも安心! 難解「CORRESPONDING句」を解説 | 用語辞典
COBOL(コボル)言語のCORRESPONDING句とは?
COBOL(コボル)言語のCORRESPONDING句とは?
CORRESPONDING句は、集団項目間で対応した項目に対して加算や減算、転記するときに使用します。ADD文(加算)、SUBTRACT文(減算)、MOVE文(転記)で使用することができます。
CORRESPONDING句は使用時に省略形でCORRと記述できます。
本記事では、COBOLにおけるCORRESPONDING句について基本的な使い方やルール、注意点などをご紹介します。
CORRESPONDING句は、仕組みを理解しておけば非常に便利ですので、ぜひ基本を覚えておきましょう。
書き方:ADD文
ADD CORRESPONDING 加算元集団項目 TO 加算先集団項目.
ADD CORR 加算元集団項目 TO 加算先集団項目.
書き方:SUBTRACT文
SUBTRACT CORRESPONDING 減算元集団項目 FROM 減算先集団項目.
SUBTRACT CORR 減算元集団項目 FROM 減算先集団項目.
書き方:MOVE文
MOVE CORRESPONDING 転記元集団項目 TO 転記先集団項目.
MOVE CORR 転記元集団項目 TO 転記先集団項目.
使用例:
以下にCORRESPONDING句を使用して、集団項目間で転記を行う簡単なサンプルプログラムを紹介します。
実行結果:
サンプルでは、集団項目WORK-GROUP-1配下の基本項目に対して、MOVE文で値の転記を行い、CORRESPONDING句の省略形CORRを使用してMOVE文で集団項目WORK-GROUP-2に転記しています。
CORRESPONDING句のCOBOL(コボル)言語における基本事項やルールについて
- CORRESPONDINGとCORRは、どちらを指定してもかまいません。
- CORRESPONDING句を使用すれば、1つの文でいくつもの対応した加算・減算・転記が可能です。
- ADD・SUBTRACT・MOVE文と、CORR、集団項目などの各要素間の改行有無は自由に設定できます。
- ADD・SUBTRACT文は値とその設定するデータ項目には、数字のデータ項目を指定する必要があります。
- ADD・SUBTRACT・MOVE文で転記する対象の項目が存在しない場合は、転記は行われません。
COBOL(コボル)言語のCORRESPONDING句を扱う上での注意点
- 転記元と転記先の項目には、必ず集団項目を指定しなければいけません。
- CORRESPONDING句は集団項目の内容が全て転記されるわけではありません。同じ名称の基本項目でも数値形式、英数字形式など、データ型の種類が異なると転記は行いません。
以下のように同じ名称の基本項目でも、集団項目WORK-GROUP-1の基本項目WORK-ITEM-1が英数字形式、集団項目WORK-GROUP-2の基本項目WORK-ITEM-1が数値形式の場合、WORK-ITEM-1の転記は行われません。
- 01 WORK-AREA.
- 03 WORK-GROUP-1.
- 05 WORK-ITEM-1 PIC X(5).
- 05 WORK-ITEM-2 PIC X(6).
- 03 WORK-GROUP-2.
- 05 WORK-ITEM-1 PIC 9(3).
- 05 WORK-ITEM-2 PIC X(6).
- ~省略~
- MOVE CORR WORK-GROUP-1 TO WORK-GROUP-2.
CORRESPONDING句を使ったCOBOL(コボル)プログラムの活用法
CORRESPONDING句を使用すれば、集団項目間で加算・減算・転記ができるので、さまざまな用途で活用することができます。
例えば、集団項目1に既定値などの元となる値を設定しておき、集団項目2に対して集団項目1の値を加味した計算を行う場合などに使用することもできます。
以下にCORRESPONDING句を使用して、値の合計値を計算する簡単なサンプルを紹介します。
- IDENTIFICATION DIVISION.
- PROGRAM-ID. CORRESPONDING_SAMPLE02.
- ENVIRONMENT DIVISION.
- CONFIGURATION SECTION.
- DATA DIVISION.
- WORKING-STORAGE SECTION.
- 01 WORK-AREA.
- 03 WORK-GROUP-1.
- 05 WORK-NUM-1 PIC 9(3) VALUE 100.
- 05 WORK-NUM-2 PIC 9(3) VALUE 200.
- 03 WORK-GROUP-2.
- 05 WORK-NUM-1 PIC 9(4).
- 05 WORK-NUM-2 PIC 9(4).
- 05 WORK-SUM PIC 9(4).
- PROCEDURE DIVISION.
- MAIN SECTION.
- *> 値を設定する
- MOVE 1000 TO WORK-NUM-1 OF WORK-GROUP-2.
- MOVE 2000 TO WORK-NUM-2 OF WORK-GROUP-2.
- *> 集団項目に加算する
- ADD CORR WORK-GROUP-1 TO WORK-GROUP-2.
- DISPLAY "WORK-GROUP-1: "WORK-GROUP-1.
- DISPLAY "WORK-GROUP-2: "WORK-GROUP-2.
- *> 合計値を取得する
- COMPUTE WORK-SUM = WORK-NUM-1 OF WORK-GROUP-2 + WORK-NUM-2 OF WORK-GROUP-2.
- DISPLAY "合計: "WORK-SUM.
- STOP RUN.
実行結果:
このサンプルでは、集団項目WORK-GROUP-1の基本項目に対してVALUE句で初期値を設定しておき、集団項目WORK-GROUP-2の基本項目には別の値を設定しています。
次にCORRESPONDING句を使用して、集団項目WORK-GROUP-1の値をWORK-GROUP-2にADD文で加算を行っています。
この時点で、集団項目WORK-GROUP-2には、設定していた基本項目にWORK-GROUP-1の基本項目の値が加算されています。
最後にCOMPUTE文を使用して、基本項目WORK-SUMに合計値を取得しています。
このように集団項目に値を設定しておけば、その集団項目をベースにCORRESPONDING句を使用して、集団項目間でさまざまな計算を行うことも可能になります。
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