COBOL言語の「CONTINUE文」はなにもしない?使用方法とは | 用語辞典

COBOL(コボル)言語の予約語CONTINUE文を使った命令文の書き方とは

辞典・辞書-CONTINUE-イメージ

COBOL(コボル)言語のCONTINUE文とは?

COBOL(コボル)には、条件を判定して処理を記述するIF~THENの処理内では、必ず実行するための処理を記述しなければいけません。しかし、ELSEを挟んで処理が分岐する場合、片方の分岐では特に実行する処理がない場合もあります。

CONTINUE文は、そのようなときに「なにもしない」ことを明確にするための命令文です。

本記事では、CONTINUE文について基本的な使い方やルール、注意点などをご紹介します。

書き方:

CONTINUE

使用例:

以下にCONTINUE文を使用した簡単なサンプルを紹介します。

辞典・辞書-CONTINUE-使用例

サンプルでは定義した項目WORK-NUMの値が100より小さい場合には何もせず、値が大きかった場合は処理を実行しています。
WORK-NUMは100より小さいため、CONTINUE文では何もせず実行結果も出力されません。

条件式で特に処理がない場合は、CやJavaなどのプログラミング言語では以下のように、処理を何も記述しなくても問題ありません。しかし、COBOLではコンパイルエラーとなります。条件式で何も処理が無ければ、必ずCONTINUE文を記述するようにしましょう。

-----------------------------------------------
IF [条件式] THEN
ELSE
 ~処理~
END-IF.
-----------------------------------------------

また、CONTINUE文は基本的に条件文の中で記載しますが、無条件文が記載できる箇所だったら、どこでも指定できます。例えば以下のように記述してもコンパイルエラーにはなりません。

-----------------------------------------------
MAIN          SECTION.
 ~処理~
 CONTINUE
STOP RUN.
-----------------------------------------------

しかし、このような使い方は余程のことがない限り、使用するのは避けましょう。CONTINUE文はあくまで条件式で、何も処理がない場合に記述することを基本としてください。

CONTINUE文のCOBOL(コボル)言語における基本事項やルールについて

  1. CONTINUE文は、何も行わない命令文です。CONTINUEを記述すると、その行では何も処理を行いません。
  2. CONTINUE文は、無条件文が記述できる箇所だったら、どこにでも記述できます。

COBOL(コボル)言語のCONTINUE文を扱う上での注意点

CONTINUE文は、条件文で条件によっては記述する処理がないときに、処理を実行しないことを明確にするために使用されますが、注意しておきたい点があります。

COBOLのCONTINUE文は、CやJavaなどのプログラミング言語でのループ文やCase文で処理をスキップするときに使用する「continue」と混同してはいけません。

COBOLでCONTINUEを指定したところで、処理がスキップされるわけではありません。CONTINUE文はあくまで「なにもしない」ことを明記するための命令文です。

例えば、以下のようにPERFORM文で繰り返し処理を行い、繰り返し処理の中で条件に一致しなければ処理をスキップして、繰り返し処理のはじめから処理を実施する、などの処理はできません。
辞典・辞書-CONTINUE-使用例

実行結果:
辞典・辞書-CONTINUE-実行結果

サンプルではPERFORM文の繰り返しの中でWORK-NUMの値を加算していき、IF文で30になったら演算処理を行い、それ以外だったらCONTINUEを行うようにしています。しかし、説明したとおりCONTINUE文は繰り返し処理をスキップするわけではないので、その後のDISPLAYが実行されてしまいます。

CONTINUE文を使ったCOBOL(コボル)プログラムの活用法

ご説明したとおりCONTINUE文は「なにもしない」ことを明確にするために記述するシンプルな命令文ですが、他に活用法はあるのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?

プログラムは仕様の変更がつきものです。今はこの条件の分岐は使わないけど、将来拡張する可能性のある条件の処理は、あらかじめCONTINUE文を使用して、将来拡張する可能性があることを明記しておくのも1つの手段です。

  1. *> CONTINUE_SAMPLE03
  2. IDENTIFICATION DIVISION.
  3. PROGRAM-ID. CONTINUE_SAMPLE03.
  4.  
  5. ENVIRONMENT DIVISION.
  6. CONFIGURATION SECTION.
  7. DATA DIVISION.
  8. WORKING-STORAGE SECTION.
  9. 01 TEST-WORK-AREA.
  10. 03 WORK-NUM PIC 9(03).
  11. 03 WORK-VALUE PIC 9(03).
  12.  
  13. PROCEDURE DIVISION.
  14. MAIN SECTION.
  15.  
  16. MOVE 1 TO WORK-NUM.
  17.  
  18. PERFORM UNTIL WORK-NUM > 100
  19. COMPUTE WORK-NUM = WORK-NUM + 1
  20.  
  21. *>現在は使用しないが、将来使用する可能性のある条件処理については、
  22. *>条件式を記述しておき、CONTINUEを記載しておくことで処理の拡張の可能性が
  23. *>あることを示している
  24. IF WORK-NUM = 10
  25. CONTINUE
  26. ELSE IF WORK-NUM = 20
  27. CONTINUE
  28. ELSE IF WORK-NUM = 30
  29. CONTINUE
  30. ELSE IF WORK-NUM = 40
  31. CONTINUE
  32. ELSE IF WORK-NUM = 50
  33. MOVE WORK-NUM TO WORK-VALUE
  34. END-IF
  35.  
  36. END-PERFORM.
  37.  
  38. STOP RUN.

このサンプルでは、将来条件によっては処理を記述する可能性のある処理について、あらかじめ条件文を記述しておき、CONTINUEを指定することで、将来拡張する可能性があることを暗に示しています。

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